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2026.03.16
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くま取り手術の術式選択 解剖学的観点からアプローチする

このところくま取り治療が最盛期を迎えており、「経結膜脱脂術」や「ハムラ法」といった、これまでは形成外科医しか使わなかった言葉が一般の方にも広く浸透し、市民権を獲得したようにすら感じます。
一方で、美容医療に携わる私の観点としては、手術の適応、選択を間違えている方も多いといった感想を抱きます。

目の下のクマ治療における術式選択は、解剖学的評価なしには成立しません。
本稿では、当院における経結膜脱脂術および裏ハムラ法の適応判断について、解剖学的根拠とともに解説します。

■クマの発生メカニズム:解剖学的背景

目の下の膨らみとくぼみは、加齢に伴う複合的な解剖学的変化によって生じます。

Cannon & Leatherbarrowらの報告(European Journal of Plastic Surgery, 2020)によると、下眼瞼の加齢変化は以下のような原因が考えられます。
・眼窩隔膜の萎縮による眼窩脂肪の前方突出
・眼輪筋支持靱帯(ORL: orbicularis retaining ligament)の弛緩
・頬骨靱帯(ZL: zygomatic ligament)の弛緩
・眼輪筋下脂肪(SOOF)の下垂
・皮膚・瞼板・眼角腱の弛緩

これらが複合的に作用することで、
膨らみ(眼窩脂肪の突出)とくぼみ(眼頬溝・tear trough変形)が同時に生じます。

■術式選択の基準

当院では、診察において目周りの靱帯「ORL」と、頬周囲の靱帯「ZL」の弛緩の有無を最重要指標として術式を判断しています。

【経結膜脱脂術の適応】
ORLおよびZLの弛緩が認められない症例に適しています。
眼窩脂肪の突出が主な原因であり、
靱帯弛緩による軟部組織の下垂を伴わない場合、
脂肪除去のみで良好な改善が得られます。
比較的若年層(20〜30代前半)に多いパターンです。

【裏ハムラ法の適応】
ORLおよびZLの弛緩が認められる症例に適しています。
靱帯が弛緩している状態で単純に脂肪を除去した場合、眼頬溝に凹みが生じ、かえって老化した印象になることがあります。
Wong & Mendelson(Plastic & Reconstructive Surgery)が提唱したtear trough靱帯の解放と脂肪再配置の概念に基づき、突出した眼窩脂肪を除去するのではなく、眼頬溝のくぼみに再配置・骨膜固定することで膨らみとくぼみを同時に解消します。
適応はおおむね30代前半〜50代前半です。

■他院修正症例から得た知見

脂肪の過剰切除による術後の凹みは、修正が非常に困難なケースがあります。
経験に乏しい医師が眼窩脂肪量の個人差を正確に評価せず、一律に大量切除した結果として生じることが問題です。
除去する眼窩脂肪の量を的確に判断することは非常に難しく、豊富な経験が必要です。

経結膜脱脂術は術野が直視下にあるため脂肪量のコントロールが可能ですが、裏ハムラ法は術野が比較的狭く、脂肪の固定位置の精度が仕上がりを左右します。
術式の選択と手技の精度の両方が求められる理由がここにあります。

■当院の術式と料金

経結膜脱脂術:198,000円
適応:ORL・ZL弛緩なし、比較的若年の方
ダウンタイム:腫れ・内出血 3〜7日程度
術直後からメイクアップ可能

裏ハムラ法:660,000円
適応:ORL・ZL弛緩あり、30代前半〜50代前半
ダウンタイム:腫れ・内出血 1ヶ月程度

■術中・術後について

局所麻酔下での施術となるため、術中は牽引感を伴いますが疼痛はほとんどありません。
術後の疼痛も軽微です。
ご希望の方は静脈麻酔も可能です。

■カウンセリングについて

どちらの術式が適しているかは、
靱帯弛緩の有無・眼窩脂肪量・皮膚の状態を診察した上でご提案します。
カウンセリング料:3,300円/当日施術も対応しております。




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