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2026.03.22
BLOG,,美容医療コラム

SNSが加速させる「後医は名医」ビジネス——他人の失敗を語る美容外科医たち

SNSを開くと、患者さん側から美容施術の「失敗報告」が目に飛び込んでくることがあります。

鼻が曲がった、脂肪吸引後の凹凸が酷い、ハムラ法の後に目の動きが不自然になった、フェイスラインに違和感がある——当事者が勇気を持って発信したその投稿に、必ずと言っていいほど集まってくるのが、全く施術に関わっていない他の美容外科医たちのコメントです。
「これは手術適応が間違っています」「修正するなら〇〇の方法が適切です」「うちのクリニックならこうはなりません」「ちゃんとクリニック選びをしていないからこんな酷いことになる」
画面の向こうで、当事者でもない医師たちが口々に語ります。これはいったい何なのでしょうか。

医療の世界に古くから伝わる言葉があります。「後医は名医」。
最初に診た医師(初医)が見つけられなかった病変も、時間が経って症状が明確になれば、後から診た医師(後医)には容易に診断できます。だから後医はまるで名医のように見える——そういう意味です。
美容施術の世界、とりわけSNSを中心とした情報交換・発信の場でも、この構造はそのまま当てはまります。

施術を行った医師は、術前の状態、患者さんの希望、解剖学的な制約、そのときの判断材料すべてを抱えながら決断を下しています。ところが第三者は、結果だけを見て語ります。「なぜこうしなかったのか」「こうすれば良かった」——それは結果を知っているから言えることです。後から診れば、誰でも名医になれます。

問題は、この「後医は名医」現象が、SNS上で一種のマーケティング手法として機能してしまっていることです。

他院の失敗事例に乗っかり、「修正できます」「うちなら大丈夫」とアピールする——一見、患者さんに寄り添っているように見えますが、その実態は他者の不幸を集客に利用しているに過ぎません。SNSのアルゴリズムを逆手に取り、「バズっている話題にさも真面目そうな聖人君子の立場から便乗してインプレッションを稼ぐ」といった算段です。
しかしその医師は実際に患者を診てもいなければ相談すらもされていません。画像一枚、動画数秒から「修正方法」を語っています。これは医師としての見解ではなく、推測と憶測の域を出ないものです。

当事者である患者さんは傷ついています。その傷に群がるように飛び交う「専門家コメント」は、果たして患者さんのためになっているでしょうか。

APOLLO BEAUTY CLINICでは、他院の施術結果についてSNS上で安易にコメントする行為を断じて致しません。それは患者さんにとって誠実ではないからです。
施術に後悔や不安を抱えている患者さんに本当に必要なのは、SNSを賑わせる「専門家コメント」ではありません。静かに話を聞いてくれる場所、正直に現状を伝えてくれる医師、そして自分のペースで次の一歩を考えられる時間——そういったものではないでしょうか。

他院批判で自院を際立たせる必要はありません。私たちは、目の前にいらっしゃる患者さんに、ただ真摯に向き合い続けたいと思っています。

もし施術に不安や悩みを抱えていらっしゃるなら、SNSの喧騒ではなく、ぜひ直接ご相談ください。あなたのお話を、しっかりお聞きします。